筋膜専門だからこそ、
「筋膜だけ」を見ない。
筋膜を追究し続けたからこそ見えてきた、
筋膜とその周囲に広がる「FASCIA」という考え方。
筋膜を追究したからこそ、
見えてきたことがあります
私たちはこれまで、「筋膜専門」の整骨院として、筋膜に着目した施術を行ってきました。
筋膜は、筋肉を包みながら全身につながっている組織です。
そのため、痛みのある場所だけを見るのではなく、身体全体のつながりを確認しながら、筋膜の緊張や動きに着目して施術を行ってきました。
そして、多くの方の身体と向き合い、筋膜について学び続ける中で、私たちはあることに気づきました。
身体の痛みや動かしにくさは、筋膜だけでは説明しきれないことがある。
ということです。
- 筋肉
- 筋膜・結合組織
- 神経
- 血管(動脈)
- 血管(静脈)
筋膜の周囲には、さまざまな「膜」が存在します
私たちの身体には、筋膜だけが存在しているわけではありません。
筋膜のすぐ近くには、神経や血管、腱、靭帯、関節などがあり、それぞれが結合組織によって包まれています。
神経も、身体の中で完全に固定されているわけではありません。
例えば、脚を動かすと坐骨神経も周囲の組織に対して移動し、滑るように動いていることが研究によって確認されています。[2]
膝を曲げた姿勢膝を伸ばした姿勢
- 坐骨神経
- 筋肉
- 周囲の結合組織
この研究は、特定の運動に伴う神経の移動を観察したものです。当院の施術による滑走性の改善や、痛みの軽減を直接検証したものではありません。[2]
つまり、腿裏を伸ばしたときも、単純に筋肉や筋膜だけが伸びているわけではありません。
筋肉、筋膜、神経、そしてそれらを包む組織が互いに動きながら、身体はひとつの動作を作っています。
私たちは、このような筋膜を含む周囲の結合組織を広く捉えて、
「筋膜周囲FASCIA(ファシア)」
と考えています。
筋膜に着目する視点
視点を広げる
筋膜とその周囲まで捉える視点
- 筋肉
- 筋膜・結合組織
- 神経
- 血管(動脈)
- 血管(静脈)
- 着目する範囲
大切なのは、
組織同士がスムーズに動けること
身体の中では、筋肉や筋膜、神経などがそれぞれ単独で動いているわけではありません。
それぞれの組織が周囲に対して滑るように動きながら、身体全体の動きを作っています。
ところが、その周囲の組織に緊張が生じたり、組織同士の滑走がスムーズに行われにくくなったりすると、
- 動かしたときに突っ張る
- 特定の動作で痛みを感じる
- 身体が重く感じる
- 動かせる範囲が狭く感じる
といった症状に関係する可能性があります。
相対的な動きが大きい例
相対的な動きが小さい例
滑走=周囲の組織に対して滑るように動くこと。図の上の矢印は同じ縮尺で、層同士の動きの大きさの違いを表しています。
痛みや動かしにくさには、さまざまな要因が関わります。滑走の状態だけで症状の原因や施術の必要性を判断するものではありません。[3]
そのため私たちは、単純に「硬い筋肉をほぐす」「筋膜を伸ばす」という考え方だけではなく、
筋膜とその周囲にあるFASCIAが、どのように動いているのか
という点まで確認します。
筋膜だけではなく、筋膜周囲FASCIAへ
当院では、身体の状態を確認しながら、手技や身体の動きを組み合わせて施術を行います。
身体を動かすことで神経や周囲組織が滑走することが確認されているように、身体の組織は外からの力や関節の動きによって変化します。
そのため、
手技によって組織に適切な刺激を加えること
そして、
身体を動かしながら組織同士の動きを促すこと
この両方を組み合わせながら、筋膜やその周囲にあるFASCIAが動きやすい状態を目指していきます。
私たちは、これを
「筋膜周囲FASCIAへのアプローチ」
と考えています。
手技による働きかけ
身体の動きを組み合わせる
ここで述べているのは当院の施術方針です。手技によって神経周囲の滑走性が改善することや、一定の効果が得られることを保証するものではありません。
「筋膜専門」をやめたわけではありません
私たちは今も、筋膜を重要な組織のひとつとして考えています。
しかし、筋膜を専門的に追究してきたからこそ、
筋膜だけを見ていては、身体の状態を十分に捉えられないことがある
ということに気づきました。
筋膜の周囲には神経があり、血管があり、腱や靭帯、関節があります。
それぞれが独立して存在しているのではなく、互いに影響し合いながら身体を動かしています。
だからこそ私たちは、
「筋膜専門だからこそ、筋膜だけを見ない。」
筋膜を入口として、その周囲にあるFASCIAや身体全体のつながりまで確認する。
それが、私たちが考える新しい「筋膜専門」の形です。
痛みのある場所だけを施術するのではなく、
「なぜそこに負担がかかっているのか」
「周囲の組織はスムーズに動いているのか」
「身体全体ではどのようなつながりが起きているのか」
まで考えながら、一人ひとりの身体に向き合っていきます。
参考文献
-
[1]
Fascia Research Society. Fascia Nomenclature.
筋膜を含む広い結合組織(fascial system)の考え方をまとめた資料です。当院の呼称や施術効果を認定・保証する資料ではありません。
-
[2]
Coppieters MW, et al. Excursion of the Sciatic Nerve During Nerve Mobilization Exercises: An In Vivo Cross-sectional Study Using Dynamic Ultrasound Imaging. Journal of Orthopaedic & Sports Physical Therapy. 2015;45(10):731–737.
無症状の参加者を対象に、特定の運動に伴う坐骨神経の移動を超音波で測定した研究です。手技による治療効果を証明したものではありません。
-
[3]
Sciatic nerve excursion during a modified passive straight leg raise test in asymptomatic participants and participants with spinally referred leg pain. Manual Therapy. 2015;20(4):564–569.
特定の検査条件で測定した坐骨神経の移動量を、無症状の方と脊椎由来の下肢痛のある方で比較した研究です。特定の部位と条件での結果であり、すべての部位・症状に一般化できるものではありません。
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